以前共感がキーワードの今だからこそ「共感なんてそう簡単にされるもんじゃない」というエントリーを書かせて頂いたところ、色々なご意見を頂き、またある貴重な機会も頂けそうで、ちょっとした転機になりました。ありがとうございます!
そのエントリーでこんな事を書かせて頂きました。
今回は上記の点を踏まえた上で、
コスト効率の悪い「共感」という感情をマーケティングに生かす方法を
自分なりに考えてみました。
そのヒントは記憶のメカニズムにあると思っています。
記憶のメカニズムの特徴の中に、以下の2つが有ります。
人間の記憶は、出来事の全ての情報やそれに伴う感情が
ひとまとめになって保存されているわけではない
感情が伴う出来事があった場合、出来事のファクトと、
その時経験した感情は異なるファイルに区分けされます。
中学時代のクラスメイトに街で偶然出会い、顔は直ぐに分かったのに、
名前が直ぐ出てこないのはこの記憶のメカニズムが原因です。
そして人間の記憶は、感覚刺激を受けることをきっかけにして、
ファクトとは別に保存されている感情が喚起され、
それに引きずられて関連する記憶が検索されます。
人の記憶は既に保存されている記憶の内容に
関連性が高い情報ほど記憶を上書き保存し、
上書き保存される記憶ほど忘れてはいけない記憶、
「長期記憶」として脳が認識する
「過去の自分が今の自分をつくっている」という、
80年代を思わせるようなキザな台詞は、脳科学的には事実です。
裏をかえせば、何の記憶もない新しいものを記憶に残す事は
相当困難であるとも言えますが。。。
余談ですが、マーケティングでよく使われるライフサイクル理論は、
ブランド調査、特に長寿ブランドの場合、と整合性が合わない事が
70年代に証明されていますが、上記の記憶のメカニズムが
原因と言われています。
上記2つのメカニズムから、共感という感情の生かし方としては、
記憶の上書き保存の「1つの」材料、
感覚刺激を受け、記憶を呼び起こす際の「1つの」窓口と考え、
必ずしも「共感」を起点に考える必要はないと思っています。
なぜなら何の記憶もないところから、脳内に記憶を残すには、
人間のもっと根本的な感情に訴えかけた方が、
感情としても発生しやすいし、忘れてはいけない記憶として
脳に認識されやすいからです。
ちなみに人間の最も根本的な感情は、不安や恐怖、嫌悪感といった
Negativeな感情ですが、
これらの感情をマーケティングに生かせる商材、場面は限定的です。
なので、これらの感情の次に根本的な感情である
楽しいとか面白いといった感情に初めは訴え、
その後記憶の上書き保存の1つの材料、
記憶を呼び起こすための別の窓口として共感に訴えるというのが
現実的なのではないかと思います。
その点でゲーミフィケーションはもっと研究したい分野です。
何か少しでもイメージしやすい事例ないかなと探してみたら、
Donate this word to UNICEFという面白い事例がありました。
UNICEFの教育プログラムへの認知度を高め、
寄付を集めることを目的にスタートしたプロジェクト。Google Chrome のスペルチェック機能を使って,スペルミスがある度に”Donate this word to UNICEF”
メニューから寄付を行うことができるというもの
事例については正直結構ツッコミどころが満載だと思いますが、
そういったツッコミや、この事例って面白いんじゃない?というものがあれば、
是非教えて頂けると嬉しいです!
追記
twitterをぼんやり見ていたら、リンクトインなどのビジネスSNSに詳しい
同僚の@taniyangが以下のような事をつぶやいていました。
学術的には共感はされづらい点はありますが、
クリエイティブを少し工夫すれば、全然変わるものだなぁ考えさせられました
そのエントリーでこんな事を書かせて頂きました。
共感という感情は、謂わば社会を形成する上で、「やむを得ず」「仕方なく」生まれた感情で、なかなかそう簡単に共感なんてしてもらえない。
更に、不安や怒りという人間本来の感情に比べて、共感という感情は、人間の長期記憶になりにくく、頑張ってプランニングして、共感してもらえるコンテンツが出来てたとしても、一時的なお金の流れしか形成されず、コストパフォーマンス的に割に合わないというケースになりやすい。
今回は上記の点を踏まえた上で、
コスト効率の悪い「共感」という感情をマーケティングに生かす方法を
自分なりに考えてみました。
そのヒントは記憶のメカニズムにあると思っています。
記憶のメカニズムの特徴の中に、以下の2つが有ります。
人間の記憶は、出来事の全ての情報やそれに伴う感情が
ひとまとめになって保存されているわけではない
感情が伴う出来事があった場合、出来事のファクトと、
その時経験した感情は異なるファイルに区分けされます。
中学時代のクラスメイトに街で偶然出会い、顔は直ぐに分かったのに、
名前が直ぐ出てこないのはこの記憶のメカニズムが原因です。
そして人間の記憶は、感覚刺激を受けることをきっかけにして、
ファクトとは別に保存されている感情が喚起され、
それに引きずられて関連する記憶が検索されます。
人の記憶は既に保存されている記憶の内容に
関連性が高い情報ほど記憶を上書き保存し、
上書き保存される記憶ほど忘れてはいけない記憶、
「長期記憶」として脳が認識する
「過去の自分が今の自分をつくっている」という、
80年代を思わせるようなキザな台詞は、脳科学的には事実です。
裏をかえせば、何の記憶もない新しいものを記憶に残す事は
相当困難であるとも言えますが。。。
余談ですが、マーケティングでよく使われるライフサイクル理論は、
ブランド調査、特に長寿ブランドの場合、と整合性が合わない事が
70年代に証明されていますが、上記の記憶のメカニズムが
原因と言われています。
上記2つのメカニズムから、共感という感情の生かし方としては、
記憶の上書き保存の「1つの」材料、
感覚刺激を受け、記憶を呼び起こす際の「1つの」窓口と考え、
必ずしも「共感」を起点に考える必要はないと思っています。
なぜなら何の記憶もないところから、脳内に記憶を残すには、
人間のもっと根本的な感情に訴えかけた方が、
感情としても発生しやすいし、忘れてはいけない記憶として
脳に認識されやすいからです。
ちなみに人間の最も根本的な感情は、不安や恐怖、嫌悪感といった
Negativeな感情ですが、
これらの感情をマーケティングに生かせる商材、場面は限定的です。
なので、これらの感情の次に根本的な感情である
楽しいとか面白いといった感情に初めは訴え、
その後記憶の上書き保存の1つの材料、
記憶を呼び起こすための別の窓口として共感に訴えるというのが
現実的なのではないかと思います。
その点でゲーミフィケーションはもっと研究したい分野です。
何か少しでもイメージしやすい事例ないかなと探してみたら、
Donate this word to UNICEFという面白い事例がありました。
UNICEFの教育プログラムへの認知度を高め、
寄付を集めることを目的にスタートしたプロジェクト。Google Chrome のスペルチェック機能を使って,スペルミスがある度に”Donate this word to UNICEF”
メニューから寄付を行うことができるというもの
事例については正直結構ツッコミどころが満載だと思いますが、
そういったツッコミや、この事例って面白いんじゃない?というものがあれば、
是非教えて頂けると嬉しいです!
追記
twitterをぼんやり見ていたら、リンクトインなどのビジネスSNSに詳しい
同僚の@taniyangが以下のような事をつぶやいていました。
学術的には共感はされづらい点はありますが、
クリエイティブを少し工夫すれば、全然変わるものだなぁ考えさせられました
Facebookで「向上心がある人って素敵」って書いたら20件近くいいねされた。これを「向上心ないやつってだめだね」って書いてたら共感を呼ばずいいねされなかったと思う。言い方一つで共感を呼べるかどうかが変わってくる。こうやっていかに共感を生むかがこれからの時代で重要だと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿