2011年10月17日月曜日

事実を「つくりあげる」脳ミソとマーケティングの付き合い方


先ずは上の絵を見てください。何が見えますか?



おそらく愛しあう二人の男女が見えてくるのではないでしょうか?
しかし小さな子供がみると、9頭の(小さくて黒い)イルカが見えます。
なぜか?
それは理由は愛し合うカップルの概念が彼らの中にないからです


上記の例は、
「我々は、無意識のうちに、ある物事に関する判断をつくりだす際、
別の刺激に基づいた判断を用いる」現象を表す一例です。
この事をハーバード大学の物理学者のジョン・ダウジング氏は
このように表現しています。
どうやら私たちの視覚システムは、網膜へイメージを伝えるだけではなく、視覚的記憶や経験を統合して、世界を整合的に見るようにするようである
 そして、その別の刺激とは、必ずしも事実であるとは限らず、
脳が「勝手に」「つくりあげた」事実が刺激となることも多々有ります。

無意識に・・・
例えば偽薬の鎮痛剤を手術後に投与された場合、
偽薬投与をうけた患者の約50%が、本物の治療を受けた際と同じ回復をします。
これは患者の自己申告ではなく、生理的な状態を観察した結果です。

このような無意識の作用は現在研究が始まったばかりで、
捉えどころがないのが現実です。
しかし消費者は自分の経験(時には事実と異なる錯覚すら)という
取るに足らない情報によって、商品・サービスに付加価値を与えたり、
ブランドへの反応に影響を与えます。

事実消費者は自分の好きなブランドの飲料を口にしていると認識すると、
彼らはその消費経験に対して、口当たりの良さやリラックス感などの
追加的な価値を付け加えますが、所謂ブラインド・テストにおいては、
ブランド名が参加者の思考に影響を与えないため、
こうした価値は付加されません。

であれば、こういった無意識が、如何に意思決定に影響を与えるか、
デザインやロゴといった外観的手がかりが消費経験に与えるインパクト、
などなどを研究する価値はあるのではないかと思います。
(具体的な方法論については、鋭意研究中なので後日・・・)


0 件のコメント:

コメントを投稿